生と死について
「生や死というが、この三界から退きさることも、この三界に出現することもない。また、世にある者、滅度した者という区別もない。この三界のありさまは、真実でもない。だからといって、虚妄でもない。”このようである”ということもない。”このようではない”ということもない。如来は、三界を、三界の衆生が見ているようには見ていない。如来は三界をあきらかに見ていて、誤りがないのである」
我々の死生観というのは、言わば「錯覚」であり、もっと別の大きな視点でのとらえ方があるということなのだろう。
冒頭の一文からすると我々には生も死もないということになる。あまりに深淵で理解するのが難しいが、生と死にこだわることから離れることで、生死に区別がなくなるのかもしれない。