非暴力の思想

 まず私たちが理解してしなくてはならないのは、西洋文明が内包する思想、その構造そのものに問題があるということです。(中略)それは「暴力こそが地球上における最大の力であり、暴力によってこそ、あらゆる変革は可能となる」という思想でした。

 この西洋文明の暴力的な土壌に、人種差別主義、性差別主義、植民地資本主義の病根があると考えています。

 本来、「人間の道」とは、他者の尊厳をおとしめる行為を拒否し、思いやりをもって接していく中ににあるのであり、自分も他者も生命という素晴らしい贈り物を持っていることを認識し、それを大事にする中にあるはずです。

 暴力や差別につながる法には絶対に従わないと決心していました。

 慈悲こそが、全ての人々の生命が輝く社会をつくる力である 。こうした非暴力思想は、世界の宗教や聖典に共通する普遍的なものです。

 

米国公民権運動のリーダー ジェームズ・ローソン氏新春特別インタビュー2020年1月1日聖教新聞より抜粋